疲れきって帰るのが
なぜか・・・気持ちよかったんだ。
Dry Rain
「てめぇ・・・今日も俺様に楯突くきか?あぁ?!」
「るっさいっ!!あたしはテメェって名前じゃないわけ!!天音 秋華!その一部分でも使ったらどう!?」
「俺様にケチつけるっていうのか?!おい!!」
「・・レベル低いな〜。なぁ?沙那。」
「良いんだろう。あれで結構悠太、面白がってるんだから。なぁ?和也。」
「・・・まぁ、な。」
廊下で響く私たちのいがみ合う声。
「おい、悠太。そんなことしてる場合じゃねぇだろ?」
そういう、井伊達 竣。
「竣、コイツどうにかしてくれ。うっとうしい。」
「それはあんたのことでしょう!?」
「まぁ・・・秋華、その辺でやめとけ。」
「・・・・わかったわよ。」
2人の止めでいがみ合いは終了。
でも・・あいつが悪いんだから・・・。
『おい、道どけろ、クソ女。』
『・・・須磨くんだっけ?クソ女ってやめてくれない?私は天音 秋華。ちゃんとした名前があるわけ。』
『お前なんか、クソ女で十分だろ?』
『・・・ねぇ?人が親切に優しく名前を言ってあげたのに、その言い方はなに?』
『悠太、謝った方がいい。』
『るっせ!沙那!こんな女、クソで十分だ!』
『・・喧嘩、売ってあげようか?』
『いいぜ?買ってやる!!』
・・・振り返ると、レベルが低い・・・。
もう少し・・・大人にならなきゃ・・・。
「そういえば、秋華。今月は大丈夫か?」
「え・・・?あぁっ!うん、大丈夫!おじさんにごめんなさいってよく謝っておいて・・。
自分でやるって言ったのに・・・。」
「あはは。気にすることねぇって。親父は好きでやってるんだ。
親父、『秋華ちゃんは大丈夫なのか?!』っていっつも俺に言ってるから。」
「あぁ・・・心配性なおじさんだから目に浮かぶわ・・・。
おじさんに心配しないでって言っておいて。」
「・・・二人って・・・どういう関係?」
そういう、香久山 沙那。
「「幼馴染。」」
「和也、そのクソ女が幼馴染なのか・・??」
「クソってあんた・・「秋華、もうそろそろ懲りろって。
あぁ、秋華の家の隣が俺の家。」
「へぇ・・・それで仲がいいんだね。」
「え・・あぁ・・・うん。」
本当は一時期、最悪だった時あったけどね。
別れたときだったかな。
財閥の息子だから・・・私じゃダメだって・・わかったから・・・。
「ふぅーん。で、和也は天音の何の援助してるわけ?」
「あぁ・・・金だよ。」
「「「金ェ?!」」」
「・・何よ?何かいけない事でもある?」
「おい、奨学金がある所にいけばよかったんじゃねぇのか?」
「えっと・・・井伊達くんだっけ?・・・ここら辺で奨学金の高校があると思う?」
「・・・私立か・・・。」
「そう、私立しかないわけ。奨学金があってもちょっと高くてね。」
「援助してもらってるんだったら一緒じゃねぇか。」
「高いか安いかだったら、安い方選ぶに決まってるじゃない。」
一応、廊下での話している。
周りの視線が痛いのは気のせいではないんだろうな・・・。
「もう、その話はいいでしょ?」
「あっ・・・やべぇぞ!悠太!!生徒会室!」
「早く思い出せよ竣!!行くぞ!!」
「じゃぁね、天音。」「じゃあな。」
「(秋華、教室では何もないか?)」
「大丈夫よ和也。心配しないで。」
廊下を走って、生徒会室の方に向かう5人。
香久山くんと井伊達くんは、天音って・・・言ってくれた・・・。
でも、アイツは頑固者だから、なかなか言わないだろうなぁ。
子ども・・・なんだろうなぁ・・・まだ。
そう言って、私もか。
「天音さん、ちょっと良いかしら・?」
あぁ・・・あのパターンだ。絶対あるような気がしてたんだよなぁ・・・。
でも・・・あたしは負けない・・・。
「何あんた?須磨様のなに?」
ホーラ来た。
「うざったいのよ、消えてくんない?」
「香久山くんたちもこんな子となんで話すのかしら?」
「顔に少し傷つけとけば何とかなるんじゃない?」
カッター・・・ッ。
怖い・・・。
左手首にある傷が・・・疼く。
「ふん。これ位しとけば何とかなるでしょ。」
「辛抱強いともっとやりたくなるわ。また、頼むわね。
天音さん。」
そこからどこかへ行く。
頬から血が流れる。
手が血の色に染まる。
「あぁ・・・あああぁっ・・・ッ!!」
血・・・血・・・。
「イヤァァアアアアアアアッ!!!!」
血は思い出させる。
『うざい。』
『死んじまえ。』
『いっそ、殺してやればいいんじゃね?』
『地獄におとしてやるよ。』
前の高校のあの生活を思い出してしまうから・・・。
どうして私は血に弱いんだろう・・・?
それ以外なら勝てるのに・・・負けないのに・・・。
「助けて・・・いやだよ・・・っ。」
あの残酷な日に戻るのは・・・