一つの事件は
私が幸せになろうとした時に起こるんだね・・・?
Dry Rain
「キャァァァアアアアアアッ!!!」
家の中は荒らされた後。
そして、家の真ん中の方に水溜りみたいなものが
本性は・・・・血だまりだった・・・。
「やっと見つけたわ。逃げたと思っていたら随分と良い所住んでるのね〜・・?」
その声は・・・消えてしまえと思っていた声。
もう、一生聞きたくなかった声・・・。
「・・・詩歌【しいか】・・・ッ。」
学校の友達だった人。
ーーーー
前の高校、凛然【りんぜん】高校
「秋華ッ!!」
「詩歌ッ!!」
家族のように仲良くて・・悩みも話せる親友だった。
でもすべては・・・仕組まれたものだった。
「秋華、帰るぞ。」
「はーい。待ってて、和也。」
和也は違う学校でもいつもむかえに来てくれた。
通り道と嘘つきながらも・・・
でも、和也は・・・
人気があった。
財閥のこともあったし・・・何せ、性格も顔も良い。
女の子にとって、全てがそろった人であるだろう。
それが元で・・・妬ましかったらしく、机の上の落書き、シューズや靴・・・教科書などの神隠し。
それが普通になっていき・・それからは・・・
「バーカ。」
暴言なんて当たり前。
でも、それと一緒に水もかけられた。
先生に何度が相談したけど・・・流れた。
「秋華・・・お前・・・。」
和也も気付き始めて、心配してくれたけど、「大丈夫。」って言って安心させておいた。
本当は耐えられなかった。
「死んでしまえばいいのに」
「いっそ、地獄におとしてやるよ」
・・・毎日、そういわれ。
もう、生きる希望も失い、生きることの楽しさがなくなった。
その時、生きていた母さんも父さんもいろいろ学校に言ってくれたけど・・・
亡くなってしまった・・・。
もう、崖のギリギリまで来た私には・・・
自殺しかなかった。
何度も何度も繰り返し・・・大動脈を切った。
それで・・・生と死を彷徨った。
それで、目を開けたとき・・
あぁ・・・・生き残ってしまったんだと・・・残念な想いがこみ上げた。
「秋華ッ!!」
心配そうに見ていたのは、和也だった。
「お前何やってんだッ!!!」
最初はそうやって怒鳴られて・・・
「生きててよかった・・・。」
そう・・・言ってくれた。
怒ってたけど・・・それは私に対しての優しさで・・・
私は・・・涙を流してしまった。
それから・・・
「秋華、お前こんな馬鹿な真似するんだったら俺のいる高校に編入しろ。」
「でも・・私は大丈夫「親父たちが心配している。秋華に有無は言わせねぇよ。」
「ありがとう。」
そうなって・・・編入した。
すべてを変えるために・・・すべてを切り離すために・・・
ーーーー
「・・・詩歌・・・何のようなのよ・・・?」
「秋華、久々の友達にそんな言い方ないでしょ?少しは喜んだら?」
家中はすべてボロボロ。
和也に・・・おじさんにどう謝ればいいか・・。
「ねぇ秋華?今まで何やってたの?ずいぶん、幸せそうな顔してるのね?
頬に傷。誰かにやられたの〜?可愛そうね〜?」
すべて嫌味。私を罵っている。
「もっと、めちゃめちゃにしてあげる。」
「えっ・・・?」
そういわれた瞬間、手を持たれ、思いっきり殴られた。
「い・・・「あれー?もうおしまい〜??もう少し一緒に遊んでよッ!!!」
蹴られて殴られる始末。
やられたらやり返せばいいのだろうが・・・私にはできない。
いつか・・傷害事件になるだろうと・・・そして・・・私が手を出さなかったら・・・
詩歌の・・・気分も・・・晴れるはずだから・・・。
「秋華・・・って!!テメェ、何者だッ?!」
「・・・か・・・和也君・・。」
そういうと、違う入り口から詩歌は出て行った。
「待ちやがれッ!!!!」
和也はそう言って、詩歌を追いかけに行った。
残された私は
新しい傷を手で押さえ・・・蹲ることしかできなかった。
「秋華!大丈夫か?!」
「うん。大丈夫だから。」
いつも・・・和也に助けてもらってばっかり。
私は・・いつも誰かに支えてもらわなきゃ生きていけない弱い子。
「う・・・ふっ・・うぅ・・・」
弱くて・・・泣き虫な私を・・・許してください。
ゴメンネ・・・ごめんなさい。
「和也ー。天音を呼ぶのに時間かけすぎだぜって・・・どうしたんだよ?おい!?」
「竣・・・。」
井伊達君・須磨が家に来た。
遊ぼうとでも思ったのだろう・・・。
「おいクソ女、何があった・・・?」
「ふっ・・・う・・・っ・・・」
「おい悠太「テメェらがそうやって甘やかすな。子供じゃねぇだろ?!コイツは。
自分の口で何があったか一部始終話せ。」
そういう須磨の声で・・・詩歌のことすべてを言った。
どうして・・この場所がわかったのかは知らない。
でも・・・彼女は私を・・・消そうとしたから・・・・。
「・・・言えるじゃねぇか。」
そうやって、近くに来て頭をなでてくれた。
「悠太、ここすっごいことになってる。血だまりもあるし・・・部屋の家具とかすべてめちゃくちゃだし・・・。」
「あぁ・・・それ俺の家のやつだしな。俺んちで処分するわ。」
「和也、コイツの家具、どうするんだよ?」
「秋華を1人にはさせられねぇんだ。また・・・今日来た奴は来るしな。」
「あぁ・・・そうだな・・。でも俺の家とか、悠太の家、和也の家に置くわけにはいかねぇだろ?」
「あた・・「榎波がいる。榎波に相談してみる。秋華とも仲がいいみたいだしな。」
「それ、Good Ideaだぜ!」
Good Ideaじゃなくて・・・。
「おい、天音。」
「・・・なんでいきなそう呼ぶわけ?須磨。」
「気分だ。気分。」
「・・・可笑しな人。」
そうやって笑うと、須磨も少し笑ってくれた。
「私は・・・大丈夫だから。」
「そうかよ。」
今は大丈夫。
和也や・・・須磨や・・・井伊達君たちがいてくれるから
私は・・・笑っていける・・・・