泣いても笑っても、世界は動く。
私は・・・許されることのないところに立っているのかな?
Dry Rain
さんざん泣いて、うずくまって
自分が嫌いになる。
なんで、「おめでとう。」って素直に言ってあげられなかったのかな?
なんで、笑顔で・・・言ってあげなかったかなぁ??
なんで・・・・逃げたのかな??
「おい、天音。」
「あっ・・・須磨。」
須磨がいる。なぜかわからないけど。
はっ!!っと気付いた時には遅かった。
「お前らしくねぇ、何泣いてんだよ?」
「・・・関係ないでしょ?」
汗・・・走ってきたの?
・・・どうして?
「お前、沙那のことで何かあったのか?それとも・・・
・・・和也の、婚約話か?」
「・・ッ!!」
「やっぱり・・・・な。なんとなくそう思った。」
じゃぁ・・・
「じゃぁ・・・ほっといてッ。わかってるなら、ホイホイ出てこないでくれる?!鬱陶しいだけよ!!」
同情でもしに来たわけ?そんなの鬱陶しいだけ・・・。
「お前・・アホカ。」
「何よ・・。」
「お前、いっつも悲劇のヒロイン、きどってんじゃねぇよ!!!」
ッ!!
「なんだよ?和也が好きだった?それがどうした?何でいわねぇ?それで泣いてんのか?
お前は悲劇のヒロインを被った最悪で卑劣な女だよ!!!
お前・・・人の気持ち考えたことあんのかよ・・・ッ。」
・・なんで、あんたに怒られなくちゃいけないわけ?なんで?
なんで・・・あんたは見抜けんのよ・・・ヒロインぶった私を・・・。
そりゃ・・・みんな気を遣ってくれてたのかもしれない・・・でも
言ってくれる人なんていなかった。
もしかして・・・和也は、私に疲れたのかな・・・?
「・・・そうだね・・・私、最悪な悪女だよ。ホントに・・・最悪な。」
・・・偽善者ぶって・・・最悪。
みんなの・・・枷になることしか・・・私、やってないじゃない。
瑠璃、もしかして、和也と私の今年ってたから・・・言わなかったの?
・・・和也と・・・婚約するって・・・。
「・・・何あっさり折れてんだよ?言いに行けよ。まだ間に合「ありがとう。でも、終わってるから。」
「もう・・・終わってるから・・・。」
「でも、おまえの中では終わってんのか?終わってねぇから、そうやって泣くんじゃねぇのかよ?!」
どうして・・・どうして・・・
「あんたは・・・私が嫌いなんじゃないの?どうして?そうやって、優しくするの?
どうして・・・・」
「お前らしくねぇからだ。お前はいっつも俺を挑発する奴だ。
お前はここで折れるのか?終わるのか?」
それじゃ・・お前は変わらない。
うん・・・過去から・・・抜け出すために・・・行かなきゃいけないんだね。
「・・・わかった。今日はあんたに免じて、言いに行ってくるよ。」
「ふん。」
須磨、あんたがわかんないよ。
鬱陶しい奴なのか・・・ただの我侭お坊ちゃまなのか・・・
・・・友達思いの・・・優しい奴なのか・・・。
あんたが教えてくれたこと・・・胸に刻んでおくよ。
まずは・・・逃げないこと。
そして・・・ちゃんと踏ん切りをつけること。
自分を・・・さらけ出す事。
・・・自分らしく・・いること。
すべて・・・私に足りなかったものだね。
「竣、和也知らない?」
「あぁ・・・休憩室。あのあと怒られちまったよ・・・ってオイ・・・。」
休憩室休憩室・・・っと。
「・・・和也・・・いる?」
「・・秋華・・。」
「話・・・あるんだけど聞いてくれる?」
逃げない。
「私・・・ずっと好きだったよ。
あの時・・・別れを言われたの・・・ショックだった。
今でもずっと・・・好きだよ?
でも・・・ムリなんだよね?だから・・・言いたくて。
ありがとう・・・婚約、おめでとう。」
笑顔で・・・言えたかな・・・?
そそっくさに部屋を出る。
「・・・悪い・・秋華。俺は・・・まだ。」
その声は・・・誰にも聞こえなかった。