夢なら覚めてほしいと思う
自分の家族が人殺しだという噂を
目の前に居る愛しい弟を
こんな噂がウソであって欲しい・・・
毎晩、月を見ては願う。
終わり無き戦いの末に・・・
「ティエラ・・・どうしてここにいるわけ・・・?」
当初目的を忘れるところだった。
そして・・・アイルが言っていたことも思い出した。
「俺は、今日から軍に入ることにしたんだ。
親父も・・おふくろも・・・姉貴もいないなら・・・世界のために命ささげようって・・・。」
「・・・ティエラ・・・。」
鵜呑みにしてもいいのだろうか?この言葉を・・・。
「そう・・・。ムリだけは・・しないで・・。」
「姉貴に言われるなんて、俺ってそんなにドジだったか?」
「ドジだったよ。」
「姉貴の方がドジだった。階段で躓くし、何もないところでこけるし・・・。」
「えっ!?私、そんなドジじゃなかった。ティエラなんか、ない漢字作ったり、変なことばっかりしてたじゃない!!」
言い合いをしつつも、笑いあってた。
家族の暖かさ・・?久々に感じたような気がする。
「悪いな、待たせて。」
リミデット様が入る。
「いえ。待っておりません。」
「レイン・アスチェル、お前にティエラ・アリルの指導者に命じる。」
「・・・指導者・・?」
「お前ももう十期生だろう?一期生を教えても良い頃だろう。」
「わかりました。」
ティエラの近くにいれるのなら・・・
「また、詳しいことはジュナに言う。」
ジュナに・・・?
「ティエラのコンビは慣れてから探してやるように。」
「心得ております。」
「まずは部屋と機関などを教えておけ。」
「わかりました。行こう、ティエラくん。」
「あっ・・・はい。」
上司の前では他人行儀しないと・・・。
「姉貴。」
「ティエラ、上司の前では他人行儀。覚えておきなさい。友達でも・・・そう。
良い?」
「あ・・うん。」
じゃないと・・・引き裂かれる・・・。
「ここが、ティエラの部屋。個人部屋だから。これ、キーね。
絶対になくしちゃいけないよ?盗まれるからね。
で、この部屋の向かいにあるのが、重要機関の1つ。特訓場所。
武器の使い方とか習ったら、ここで復習するの。」
「姉貴、そこに行きたい。」
「私は行けれるけど、ティエラはダメ。」
「なんでだよ?」
「一期生は入れちゃいけないの。武器も何も持ってないから。
授業で習ってからね。」
「姉貴、指導者なんじゃねぇのかよ?」
「指導者って言うのは保護者と同じようなもの。
授業で習ったことをより詳しくおしえたりするだけ。」
「十期生って10年前から居るのか?」
「う〜ん・・・レベルだね。私1番上なの。
十段階の中の十。一番上。」
「そんなにできるのか?」
「お姉ちゃんを馬鹿にしちゃいけないよ・・・。」
《南にモンスター出現。直ちに向かうように。》
モンスター?
「ジュナッ!」
「レイン。」
「一期生、どうすればいいの??」
「一期生は自室で待機・・・のはずだが?」
「ティエラ。さっき、自室のキー、渡したよね?そこで待機してなさい。」
「姉貴!俺も行きたいッ。」
「姉貴・・?あっ!お前ッ!!!ティエラ!!ティエラじゃねぇか!!」
「ちょ・・・ジュナ、再開は後。ティエラ、一期生は卵。卵が壊れたら育てられない。わかる?
だから・・・待機してて?」
「・・・わかった。」
もう・・・離れるのがイヤだから・・・。
「レイン。コイツだ。」
「ドラゴン?!えっ?ドラゴンは隠密機関がやるんじゃなかったの?!」
「しらねぇのか?隠密機関、死滅したって。」
「死滅?!隠密機関が?!」
最強と謳われた隠密機関が・・・。
「まず、コイツ倒すぞ。」
「はいっ。」
目の前のドラゴンを倒す。
「エルア!!」
「神真月砲!!」
少し苦戦はしたが、見た目ほど強くなかった。
「ジュナ、帰ろう。」
そんな隙をみせている時
「レインッッッ!!!」
後ろに居るものに気付かなかった。
『レイン、いつかきっと・・一緒に・・・』
意識がとぶ前、聞きなじんでいる声が聞こえたような気がした。