夢なら覚めてほしい
自分が信じきっていたものが全て、崩れていく。
私は・・・何を信じて生きてゆけばよいのですか・・?
毎晩、空に手をかざしては考える。
終わり無き戦いの末に・・・
『レイン・・・いつか一緒に・・・』
あの言葉は一体なんだったのだろう・・・?
そして、今の状況。
目の前が真っ白・・・後ろにいたモンスターに気付かず、倒れたのであろう・・・。
「・・・あの声は・・・誰だったの・・?」
聞いたことがある声。
リミデッド様・・?いや・・・・違う。
ジュナ・・・?いや・・ジュナじゃなかった。
・・・アイル・・?
そうだ、あの声は・・
「・・・アイル・・・?」
あそこにアイルはいなかった。じゃぁ・・どうして??
「・・・ン!!レインッッ!!!」
その声で目が覚める。
「・・・ジュナ・・?」
「姉貴ッ!!」
「ティエラ・・・。」
・・・ここは、医務室。
「おいおい、動くなよ。動いたら、傷口ひらいちまう。」
「あ・・・そっか。」
背後にいたモンスターにやられたんだよ・・・。
「心配するな?モンスターは倒しておいたぜ?」
「さすがね。」
謎が残る。
・・・あのアイルの声は・・・・?
・・いつか・・一緒にって・・・・何?
「つーか、ティエラ、久々だな〜!覚えてるかぁ〜?」
「・・・?」
「覚えてるわけないよ。あの頃はもう少し小さかったんだから。」
「・・・姉貴、誰だよ?」
「オイオイ、マジかよ?ジュナ。ジュナ・イリン。お前の家の近所だったろぉ?」
「あっ!ジュナッ!!」
男の子って・・すごい・・・。
久々に会った人でも・・・初対面の人でも・・・
笑って・・・話せるんだもの・・。
「ジュナ・イリン、報告書を出すように。」
「あっ。スミマセン。今から出しに行きます。
じゃぁな。」
「うん。頼むね。」
「ティエラくん、先生呼んでたよ。」
「あっ、わかった。じゃぁ姉貴、俺も行く。」
「頑張るんだよ。」
「わかってるっつーの。」
出て行く2人。
「・・・レイちゃん。」
「・・・ミヤビ・・・。」
「・・・アイル君のことで何かあったの?」
「えっ?」
「・・・2人は気付いてなかったみたいだけど、私には聞こえたよ。
アイル・・・って。」
「・・・・。」
・・・・アイルの・・・言葉。
「アイル君のことで・・・・何か調べて欲しいこと・・ある?」
「・・・いいよ。別に・・・「レイちゃん、私、レイちゃんには幸せになってほしい。
レイちゃんがアイル君と別れなきゃいけなかったことも・・・全部知っているし・・・
レイちゃんはいつも・・・嫌な役ばっかしさせられて・・・
私・・・見てられない。」
レイちゃんは・・いつも優しくて・・・
仲間同士のいざこざも・・・すぐに何とかしてしまう。
涙も・・・みんなの前では流さない・・・レイちゃん。
女首相だから・・・かな?少し、意地・・・張ってるよね?張らざる・・・おえないんだよね・・・。
だから・・それを私は知っているから・・・アイル君と・・・好きな人と一緒になってほしい。
ただ・・・それだけでも・・・・。
「ありがとう・・・ミヤビ。でも大丈夫よ。
でも・・・何か情報があったら・・・教えてくれるだけでいいから。」
そう言って笑顔で私に言う。
「うん。わかった。」
レイちゃん・・・我慢してないでいっぱい吐き出しちゃえばいいのに・・・。
そうやって・・・我慢する、レイちゃんだから・・
「レインさん!!大丈夫ですか?!」
「レイン!大丈夫なわけ?!」
・・・慕う・・人がいるんだよね。
みんな・・・レイちゃんのこと・・・少しはわかってくれる人たちだから・・・。
誰も失わなくて・・・何も失くさない・・
レイちゃんには・・・本当の笑顔になってほしい・・・。
そう願うのは・・・罪なのでしょうか・・・?