あの声が・・・イヤでも聞こえなかったら良かったのに
まだ、未練がましくて・・引きずって、いつか仕事にも影響が出てしまうから。
毎晩、空の闇に想いをぶつける
終わり無き戦いの末に・・・
あれから、ミヤビが外へ出て行った。
ミヤビが・・あそこまで私のこと心配してくれているのは分かった。
いつもアイルと一緒にいたら笑って手を振ってくれてたね。
いつも・・・私の幸せを・・・祈ってくれてたね。
私は・・・それを裏切った。
ミヤビが一生懸命になってくれている。でも・・・・
私たちは戻れない・・・そんな気がする。
「レイン・アスチェル。」
「・・・ナチル・・・。」
ナチル・・・・ナチル・フィラトル。冷静沈着で読めない男。
私たちの同期であり十期生の上の中。
アイルがいなくなった後の首相。
「・・・何か用?ナチル。」
「・・・・アイル・カイズが、敵軍“エアスクウド”に入ったらしい。」
え・・・?
「ウソ・・「本当の話だ。俺も・・・信じたくはないがな。元首相が敵軍入りなんてな。」
「・・・敵・・・軍・・」
エアスクウド・・・。スウェンドと犬猿の中にある機関。
戦いの発端は、エアスクウドが何の意味も無くスウェンドに乗り込み、人を殺していったのから始まった。
「どうして・・・!」
「・・・分からない。まずあの人がここを抜けた理由も分からないのに敵軍、なんてな。」
・・・抜けた理由は・・・リミデット様のこと。
敵軍で・・それを叩きのめすと言うの?
私を・・敵にしてまで・・??
「・・・泣いて・・いるのか?」
そう声をかけてくるナチル。
「ううん・・・大丈夫。」
「・・・伝えるのは・・・まだ早かったみたいだな。」
「そんなことない。」
“有難う”
そういった私。
「・・・気持ちが落ち着いてからで良い、ティエラ・アリルの世話役に回れ。」
「・・・うん。」
そう言うと、何も無かったかのような顔で部屋から出て行く。
・・・事実は残酷で・・・真実は私を突き落とす。
「アイル・・・っ!」
何故・・・?何故なの?
『レイン・・・いつか一緒に・・・』
その言葉は何?
一緒にって・・・何?
「わからない・・・わからないってばッ!!」
枕を握り締め扉に向かって投げる。
・・・どうして?何故?
疑問ばかり。
『レイちゃん!』 『姉貴!』 『レイン。』
ミヤビ・・ティエラ・・ジュナ・・・
『レイン』
・・アイル・・・ッ
涙と一緒に何かを失っている気がする。
今、私がこうやって悩んでいる時に、私は大切なものをいくつか失っている気がするの。
前を向こう。アイルが敵になっていても。
気持ちの整理はまだちゃんとはできてないけど・・・
もう・・・失いたくない。
その気持ちだけは・・・汲み取ってはくれないのだろうか・・・?
神様・・・なんて、柄じゃないけど。
そんな人がいるのなら・・・叶えてください
もう・・・誰も失いたくない。だから、そのために頑張る力をください・・・