いつも誰かの背中を見ていた。
いつも自分は誰かの死を見ているだけだった。
もう、そんなことがなくなってしまえばいいと思う。
毎晩、何もない草原の中で転寝をする。
終わり無き戦いの末に・・・
夜、久々に散歩をした。
施設の周りを夜空を見ながら。
「レイン。」
「麟笙【リンショウ】。」
倭・麟笙【ワ・リンショウ】。
私たちの同級。でも九期生。
この、カメルイの国の隣の隣の大国3位の大きさの楼朱【ろうしゅ】の国のもの。
勘が鋭く、少し口調が荒い。
「・・アイルは・・・アイルは敵軍に入ったって・・・。」
「そうらしいね。」
「どうしてとめないの・・・?!」
「アイルが・・・決めたことだから・・・。」
「だからといって・・!!「私はとやかく言うことはできないわ。
・・彼が敵軍となるなら、対になるだけ。ただ、“殺す”のみよ。」
「なっ!?本気で言っているの?!レイン!!」
「・・・・。」
「レインッ!」
「レインッ!!」
強がった。
彼を殺すなんてこと、できやしないのに・・・。
「・・・バカな私。」
意地でも連れ戻したくて・・・でも
それでも、多分彼は帰ってくることはない。
『裏は・・・・本物のリミデットが・・・支配をしている・・・。
人殺し軍の・・・・だ。』
『裏の支配者はリミデットだ。
だが・・・それに仕えている奴が・・・・一番危険人物だ・・。
・・・名を・・・ティエラ・アリル。』
・・・ティエラ・・・。
何がどこでどうやって繋がっていると言うの・・・?
アイル・・貴方がどこかへ行く時の“またな。”は敵同士になって又会おう・・そういう意味だったと言うの・・・?!
「最低・・・最低だよッ!!」
俺はお前を殺すと言う・・・・そういう意味だったのね・・・?
でも・・・本当の意味を知るのは
それから、ずっと後だった。