歩いて
走って
World Loves
今日で奈江は退院。
「菜香ちゃんも一緒に退院でよかったッ!」
そう私も、奇跡的に退院。
もう1週間入院生活かと思ったら、「退院して良いよ。」といわれた。
「あっ、菜香ちゃん。これ例の物。」
それは奈江が作詞作曲してくれたもの
melody of a sound・・・音の旋律。
なんか、見ちゃいけない気がする。
ちゃんとデビューするまで。それまでは開けれない、開けたくない。
「ありがとね、菜香ちゃん。これ、よかったら優利くんと一緒に来てねww」
そういわれてもらったチケット。
「何これ?」
「私の大切な人にしか来てもらえないことになってる極秘のライヴ☆」
そんなのがあるなんて知らなかった・・。
え・・・って言うことは・・・
「菜香ちゃんも私の大切な人よ。だから。」
嬉しい・・・。
涙、溢れそうだよ。
「でもね、これ、最近ばれてきたみたいでね・・・。
マスコミが勝手にチケット売ってるのよ。まぁ、嫌じゃないんだけど。
でもこの席だけはって!菜香ちゃんだけの特等席!」
そのチケットの席のところには2つ書いてある。
Aー15・・・一番真ん中の席。
もう一つは・・・
「ステージの上!急遽、一つだけ作ってもらったの!」
「ど・・・どうして?」
「菜香ちゃんのデビューだよ!」
デビュー・・・?
「一応、菜香ちゃんにオファーかかってたんだよね〜。」
私にオファー?
「ゴメンネ。私、菜香ちゃんの歌声、カセットテープに取らせてもらって・・・
ディレクターに言ったら、奈江とコンビ組めば良いんじゃない?って言われてね!
だから、私が作った曲と、菜香ちゃんのソロのライヴにしようと思ってッ!
そこでデビューッ☆」
ウソ・・・?!
「よかったね、菜香ちゃんッ!」
私の看護をしてくれている看護婦が自分のことのように喜んでくれた。
「練習してなかったらただじゃおかないわよ?」
「ウンッ!頑張る!!」
それからすぐ、奈江は仕事へ行った。
私も優利の家に行った。
「歌恵さんのライヴ、行かない?」
「あぁ、良いぜ。」
て言ってくれた。
秋絵ちゃんにはチケットがなくて・・・でもライヴあるんだぁ!って言ったら
「私、持ってるよ!そのチケット!」
そう言っていた。
来月・・・12月の4日。ライヴがある。
「一緒に行こうね。」
そういって3人で約束した。