揺れる
思いは・・・
World Loves
月日は流れていった。
毎日、優利を待っている間、音楽室に行って歌の練習をした。
楽しくて、楽しくて仕方がなかった。
みんなに、“元気だね”“最近、笑うようになったね!”って言われるようになった。
全部、奈江のおかげだよ。
ーーーー
「いよいよ、明日か。」
「わーーっ!プレッシャー与えないでよ!優利。」
「でも、与えておかないと菜香は緊張しすぎて、失敗。になっちゃうかもしれないしね〜☆」
「秋絵ちゃん!」
そう、明日は当日。
「で、菜香。服は決まっているの?」
「へ・・・?」
そう、私は肝心の“服”を買っていなかった。
「まさか・・・何にも?」
「買うべきものなの?」
「私服でいいだろう、瀬川。」
「あっ、じゃぁ、今から菜香の家に行って服チェックしよう!良いのがあればOK!」
「あぁ・・・それでいいんじゃねぇか?」
「ちょっと!!2人で何勝手に決めてんの?!」
そんな私の反論は2人には届くことはなく・・・。
「あっ、いいのあるじゃない!これと・・・これ〜!」
秋絵ちゃんはさっそく私の服をあさって、明日、私が着る服をコーディネートしている。
私と優利は、ただ座っていた。
「こんなもんかな!」
そう言って立ち上がる。
「おっ、いーじゃねぇか。」
「ちょっと、肌寒そうな・・。」
下はジーパン、上はキャミにいろいろ重ね着。
「まぁ着てみなさいよ!」
そういわれ、着てみたら・・・
「秋絵ちゃんって・・・才能あるんだね・・・。」
そう、この着こなし術にまんまとはまってしまった。
「ん。可愛い。よし、明日はこれに決定ッ!!」
そういわれ、半強制的に決まった明日の服装だった。
「は〜・・・さみぃ。」
そう言って、手をこする優利。
「あっ、私、終電に間に合わないかも・・・じゃ帰る!」
そう言って走っていく秋絵ちゃん。
「悪いことしちゃったかなぁ・・・?」
そうつぶやいたら。
「瀬川なら大丈夫だ。」
なんか、そういった優利。
ズキッ・・・。
心が痛くなった。
秋絵ちゃんに・・・嫉妬した。
「優利、明日頑張るから、ちゃんと聞いてね?」
そう彼に言うと
「バーカ、当たり前だ。」
そう言って、笑ってくれた。
無邪気な・・・子供のように・・・。